居心地の良さを求める権利を放棄すること  ローレン・カニングハム  1月11日

居心地の良さを求める権利を放棄すること
(著書Making Jesus Lord からの抜粋)

ローレン・カニングハム  YWAMの創設者

    ユース・ウィズ・ア・ミッション(通称YWAM,ワイワム)は、超教派の国際的な宣教
     団体で、大宣教命令の達成のため、3つの柱となる、「伝道・訓練・救済」の働き
     を行っている。YWAMには、12,000人のフルタイム・スタッフが世界135ヶ国、
    700余りのベースで活動し、スタッフ全員は、ボランティアとして働いている。


 みんながあなたと同じような考えを持っていて、あなたにとって一番居心地のよい教会に通うことは、少しも悪いことではありません。しかし、もしもあなたがある種のミニストリーへの召しを神から受けて、そこで違う人たちと働く立場に立ったらどうなるでしょうか。多分政治的にも、またそればかりか教義的にも大変違う意見をそれぞれが持っていることでしょう。その時あなたはどうしますか? 私たちはみんな混じりけのない純粋な信仰を保つようにと一生懸命がんばっているのではないでしょうか。自分とは違うように信じている人たちと一緒に働くことが出来るのでしょうか? 私たちは異端(heresy)や変節、背教(apostasy)からしっかり自分を守らねばならないのではないでしょうか?

しかし私は、一つの論点の意見の相違よりも、その問題の背後にある霊こそが最も大きな問題点だということを確信するにいたりました。異端の霊は真理に付け足しをするものであり、背教の霊は真理から何かを取り去ろうとするものです。

私たちの中で何人の者がすべての真理を理解しているでしょうか。イエス・キリストを信じている人で「はい、私はすべてを網羅して知っています。」と言える人が一人でもいるでしょうか。すべてのクリスチャンが、自分は教義的に正当な道の真ん中にいると信じています。しかしみんなが完全な知識を持っていることはありえません。私たちの知識は日々成長しているものです。ということは、完全にすべてを知っている者はまだいないということです。真理は無限であり、私たちは有限なものですから、まだまだ私たちの行く手は遠く、学ぶべきことは沢山あるのです。つまり私たちはいつでもどこかで間違っている可能性が十分にあるのです。

私たちは、子供のころから聞いてきたことを真理と思いこみ、無意識のうちに神の言葉に付け足してしまうことがあります。また、真理であるのに私たちが気がついていない部分もあります。それはある意味でその真理を取り除いていることになります。しかし、それだからといって私たちが異端者であるとか背教者であるわけではありません。

本当の異端、背教の背後にあるのはプライドという罪であり、それは故意に神のみ言葉につけ加えたり、み言葉から何かを取り去ったりするのです。私たちはこのようなことに自分が陥らないように自分を見張り、すべての真理に導いてくださる聖霊の助けにより、真理の霊によって交わりを持たねばなりません。

あるバプテストの牧師の話をテープで聞いたことがあるのですが、彼はこのことについて語っていました。彼はある時、南アフリカのカトリック教徒の中で働きをするようにという神の召しを受けました。彼は「しかし、主よ、どうして私が彼らと一緒に働くことができるでしょうか。彼らのしていること、信じていることの中には私が同意できないものがありますから!」と抗議しました。それに対して神は「わたしはあなたのしていること、信じていることの全部とは同意していませんが、それでもあなたと一緒に働いていますよ!」と答えられたということです。

私たちクリスチャンが一致の霊を持ち、世界に福音を共に宣べ伝えたいと思うならば、キリストのからだの中に今あるよりももっと謙遜さが必要とされています。みんなが「私は絶対的なすべての真理を持ってはいない。私はすべてのことを理解することはできない者である。」ということをしっかりと認識する必要があるのです。

お分かりでしょうか、神はすべての真理をある一人の人とか、一つのグループとか、一つの教団に任せることはできないのです。聖書だって多くの著者により、長い期間をかけて、多くの場所で書かれました。今日、神は聖書解釈のパズルの断片をいろいろな教師やグループに与えておられるのです。私たちがへりくだり、お互いから学ばねばならないことがあることを認め合って、すべてのパズルの断片を一緒に接ぎ合わせるとき、初めてより大きな絵を見ることが出来るのです。勿論、天国に行くまで完成された絵を見ることは出来ないでしょう。しかし、私たちは今、出来ることがあるのです。

D.G.バーンハウス博士は尊敬された長老派の神学者で、「Eternity」 の前身である「Revelation」という雑誌の編集者でした。彼はペンテコステ派は間違っていると教えていましたが、晩年になってからペンテコステ派の人たちと一週間を過ごしミニストリーをする招きを受けました。後になって彼は次のように言っています。「ペンテコステ派の人たちが信じていることの95パーセントは私も信じている。2パーセントは全く一致しない。3パーセントはどちらともいえない。 私は主にある兄弟姉妹のためには5パーセントの違いを横に置くことは出来ると決心した。」

エペソの4章で神の言葉は、信仰の一致に達する日まで熱心に御霊の一致を保つようにと教えています。(2-13節)私たちは基本的なことは一致せねばなりません。イエス・キリストが神であり主であること、聖書が神の言葉であること、十字架のみ業、そしてその他の信仰の主たる教義です。しかし、一致しないところは主にお委ねし、自分の心を正(義)しく保たねばなりません。私たちの責任は、御霊の一致を保つために出来る限りのことをすることです。一致の霊こそがまさにイエスの霊だからです。(ヨハネ17章)

イエスは「あなた方が同じ教義を持っているのを見て、人々はあなた方がわたしの弟子であると分かるでしょう。」と言われましたか? 違います。主は私たちが互いに愛し合うときに私たちが主に属するものであることが人々にわかると言われました。あなたは艱難の前に携挙があると信じているかもしれません。千年王国はないと信じているかもしれませんし、ディスペンセイションを信じているかもしれません。カリズマ派かもしれませんし、カルビン派または、アルメニア派かもしれません。でも私たちはイエスの血潮によって罪を清められ、主にあって交わりを持つことができるのです。

もしあなたが教義にこだわり、それが他のイエスを追う者との関係を裂くものとなるなら、あなたの教義はあなたの偶像になっているといえますし、それは捨て去らねばなりません。「神の密輸入者」を書いたブラザー・アンドリューは、誰かから教義のステートメントを求められると、その人に聖書を送り返しましたが、あなたも同じ考えで同じことをするのでない限り、たとえどのような教義であっても、それは所詮人間のつくった物であるに過ぎません。

私たちは本当に、お互いが協力し合う必要があるのです。もし私たち「キリストのからだ」が主の大宣教命令を忠実に果たすのであるのなら、私たちクリスチャンはお互いに対して単に態度だけではなく、実際に蜜に連絡を取り合い、少しでも同じことをダブってする努力の無駄を避けることによって、お互いがお互いを立て挙げて、助け合う親しい関係にならねばならないのです。

私たちが成し遂げねばならない仕事は大変大きなものであり、神のご計画を遂行するためには、ちょうど飛行機が発着するときにお互いがぶつかり合うことのないような入念なフライト・パターンが求められるのと同じです。
神の御霊は今、多くの違ったバックグラウンドを持ち、イエスに仕えるという共通の使命以外には共通性が少ない種々の組織に属する人たちに一様に注がれておりますが、これがイエスの私たちを混ぜ合わせ一つにするやり方であるのです。あなたが今、その主が一つにされようとするからだの働きの一部であるならば、総てをあなたの方法でやろうとすることを諦めねばならないこともあります。あなたが正しいことを立証するためには、あなたの権利とやり方をいさぎよく放棄し他の人に譲らねばならないのです。

第二次大戦で何千人というクリスチャンがヒットラーの捕虜収容所で苦しみを受けましたが、その一人にマルチン・ニュオミュラーというユダヤ系ドイツ人がおりました。彼は独房につながれていたのですが、あるクリスマスの日に、独房から出され、三人のクリスチャンがいる部屋に放り込まれました。その三人の一人はサルベーション・アーミー、一人はペンテコステ系、一人はメソジストでした。ニュオミューラー自身はドイツのフリー・エバンジェリカル・チャーチ出身でした。その部屋に放置されていた空襲で焼け焦げたドアーをテーブルにし、四人はその日あてがわれた干からびた黒パンと水をその上に載せ、四人で聖餐式を祝いました。ニュオミューラーは「私たちが向き合って冷たい床にひざまずいたとき、私たちの教義の違いは完全に消え去った。」と書いております。

キリストのからだは監獄ではありません。キリストのうちに真の自由を発見した者同士の親しい交わりです。その主の真の自由の中を歩むとき、私たちが主の宣教の命令に一致して仕えるという、より偉大な者となるために、それぞれが持つ主からいただいたよいものまでも犠牲にすることを主は要求しておられます。今あなたは、主によってそのような自由の中を歩むべく召されておられるでしょうか。(終わり)


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by walkwithgod | 2008-01-11 16:37 | アメリカからのメッセージ
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