たましいの闇夜―神の光の軍隊を準備するために
ポール・キース・デイビス アメリカ国内だけではなく世界中で最近よく耳にするのが、「今はたましいが闇夜を通っている!」という言葉です。 確かに一見、多くのクリスチャンが、険しく苦しい道を通らされているように見えます。 しかし、これは実は、よい結果をもたらすためなのです。 私は数年前にある啓示的なヴィジョンを見たのですが、そのヴィジョンは私が苦しいところを通らねばならなかったときに大きな励ましとなりました。このヴィジョンは特にリーダーの立場にある人たちに対して語られていると思いますが、すべてのクリスチャンに適応することが出来ると思います。 自分のミニストリーはかなり成功している、と思っていたリーダーが、突然「神から取り扱いを受けている」自分を発見する、ということが最近よく起こっています。しかしその試練を通ったあとには、主と更に親しく交わるようになり、もっと大きな霊的権威を持つようになるという素晴らしい結果が期待できるのです。 光の軍隊のヴィジョン 私に与えられたヴィジョンの中で、光の軍隊が広い戦場で整列していました。私たちは戦闘態勢をとっており、暗やみの勢力と戦おうとしていました。光の戦士たちは、どの地位の者もすべて称賛に値するほど立派で、昔風の武具で身を固め、手には剣を持っていました。 やがて激烈な戦闘がはじまり、それはあたかも「世の終わりの戦い」のように見えました。 光の軍隊は剣の一振りごとに戦果をあげて敵を撃退し、勝利は間違いなし、と感じていました。 戦いは凄絶を極めましたが、私たちは前進し続け、敵は次第に後退していくように見えました。私たちは「我々は世の終わりの戦いに勝利している、自分たちの力はこのように偉大なのだ。」と心の中で感じていました。 聖霊によってとどめられる しかし突然、聖霊が私たちを捉え、私たちはそれ以上前進することを許されませんでした。勝ち進んでいた戦いを、敵にではなく聖霊によって阻止されて、私たちは狼狽しました。私も敵からわずか数メートルしか離れていなかったのですが、身体が麻痺して一歩も前に進めなくなりました。 私は非常に落胆し、混乱してしまいました。 そして主にどうして光の軍隊が前進するのをとどめられたのかをお聞きしました。すぐに主は私たちの頭上の雲を吹き払われました。すると、私たちの目は開かれて、今までは隠れて見えなかった敵のいくつもの巨大な大砲が、私たちに向けられて並んでいるのが見えたのです。 敵は後退していると見せかけていたのですが、それは彼らの策略であり、実際には私たちが自分たちの力を過信するようにしむけていたのです。確かに私たちは戦場で戦うことにより主と共に歩み、主の力をいくらかは受けていました。しかし、預言にある「世の終わりの戦い」を長期に亘って戦うのに不可欠な主の力を、まだ十分には受け取っていなかったのです。 教会の上に神の霊が完全に注がれることを、敵は断固として阻もうとしています。神の民は主の完全な啓示と力の油注ぎを受けることが、み言葉で約束されていますが、そのときには、私たちは主のもとに帰り、完全に癒されることを、敵はよく知っていますから、それを阻止しようと必死なのです。主による完全な癒しとは、単に身体や心の癒しだけではなく、エデンの園以来できてしまった神と人との間の裂け目を完全に修復するものです。 これが成就されれば、「あなたがたの中におられるキリスト、栄光の望み(コロサイ1:27)」 が現実のものとなり、私たちクリスチャンは聖書に預言されている通りに生きることが出来るようになります。敵が、「預言的世代」が生まれ出るのを何故これほどまでに阻止しようとしているのか、という理由がここにあります。 敵は、私たちの準備が完全に整う前に戦いに引きずり込むことしか、自分には勝ち目がないことを知っています。教会がキリストの花嫁として、キリストにあって受け取ることのできるすべての啓示を受け取り、その花嫁の住まいとして用意された場所に入るならば、敵の勝ち目は全くなくなるのです。その真理に立てば、私たちは地獄の勢力にも対抗して戦うことができます。なぜならば、そのとき私たちは自分の力ではなく、天からの見えざる力の源から力を得て、神の勝利を勝ち取ることができるようになるからです。 私たちがあれ以上敵を攻撃するのを許されなかったのは、神の憐みと恵みの故でした。あのまま進んでいたら私たちは滅んでいたことでしょう。私たちが、完全にキリストを着ることをせずに、また主の武器で武装する用意もないままで戦いを続けることを許されなかったのは、父なる神の偉大な愛の故でした。 もし私たちがあと少し攻撃を続けていたならば、敵の巨大な兵器が終末の大戦争のために使用され、私たちは簡単に滅ぼされていたでしょう。 手術室 次に私たちは、天の手術室と訓練センターのようなところに移されました。 この特別な部屋の中で、私は手術台に横たわっていましたが、面白いことに、手術台を取り巻いている天使たちのうしろで私も一緒に手術台の自分を見ていました。天使たちは「手術」の準備をしていました。 背丈2メートル半くらいの6人から8人の天使が手術台の周りで、それぞれ分担された作業に取り掛かっていました。彼らは私たちに霊的手術をほどこして、来るべき戦闘のために整えているのでした。 彼らは、一枚ずつ私の肉を私の身体から剥ぎとっていきました。それは私の中の肉的なもの、この世的なものを取り去る作業でした。自分の身体から自分のアイデンティティーや計画、野心、欲望が除去され捨てられるのを私は見ていました。 そして、来るべき戦いには何一つ不純なものを持ち込むことは許されないのだ、という理解が与えられました。自分の考えとかアイディアとかというパン種を、主の純粋な真理の中に混ぜることは絶対に許されません。人間的なものが混じってはいけないのです。 天使たちによるこの作業が続けられ、おしまいには手術台の上の私はなくなってしまいました。私は一人の天使に「私はどこにいるのですか?いなくなってしまったようですが。」 と尋ねました。声がして、手術台の上の小さな、しかし命にあふれている種を指差しました。 丁寧な手術を受けて私に残されるのを許されたものは、神から与えられたいのちの種だけだったのです。 肉的なものを剥ぎ取るプロセスにより、エデンの園でアダムが罪を犯すことによって生じた肉的な性格がすべて取り去られて、元のいのちの源へと戻していただいたのです。私たちは、暗やみの力との戦いに勝利するためにキリストを着なければなりませんが、これはそのための霊的準備だったのです。 キリストの肉の肉 天使たちは、今度は私たちを復元する作業に取り掛かりましたが、そのためには大きな戦闘にも十分に戦える神の聖なる力を用いました。肉的なものを剥ぎ取っていったときと同じ勢いと熱心さて、天使たちは復元の作業をしていました。 その素材は「主の骨の骨、主の肉の肉」でした。これ以外のものでは来るべき戦いに勝つことは絶対に出来ず、必ずや敗北に終わってしまうからです。 エペソ6:10-11「終わりに言います。主にあって、その大能の力によって強められなさい。悪魔の策略に対して立ち向かうことができるために、神のすべての武具を身に着けなさい。」 復元のプロセスが完了すると、私たちはふたたび戦場へと移されました。今までは剣が私たちの手の中にあったのですが、今度は私たち自身が、主の手中の剣や武器となっていました。私たちが「約束」を握っているのではなく、私たち自身が約束のものとなったのです。 剣とは、聖書の中では約束のみ言葉を表しています。今私たちは自分の約束を手にもって敵と戦おうとしていますが、私たちを約束のものにすることこそが主の最終的なご計画なのです。 私たち自身が「生けるみ言葉」となるのです。 ローマ13:14 「あなたがたは、主イエス・キリストを着なさい。肉の欲を満たすことに心を向けてはならない。」 私たちの中のキリスト 「私たちの中のキリスト、栄光の望み」という奥義は最も偉大な奥義の一つであり、やがて完全なかたちで実現されます。私たちはこの奥義を簡単に口にしますが、本当のところ、これを完全なリアリティーとして経験しているクリスチャンはほとんどいません。しかし、聖書には、これを現実とするための油を注がれるクリスチャンの群れが間もなく現れるという約束があります。彼らは偉大な力と権威を受けて全き真理の中を歩くようになるのです。 そしてもっと重要なことですが、キリストの顕在の栄光の中でキリスト御自身の徳やご性格を彼ら自身が輝かせるようになるのです。 現在、このトランスフォーメーションのプロセスを、主の軍隊に属する人たちの多くが通らされています。そして新しくされると、彼らは新しい高いレベルの啓示の霊や力を持ち、今までとは違った大いなる力ある業を主の名を呼ぶことによってしていくことができます。これによって天の戦略と、最終的な勝利を勝ち取る青写真を手にすることができます。 今は霊的に新しいシーズンに入っていますから、クリスチャンが栄光から栄光へと変えられていくプロセスに進むのです。ですから、多くの聖徒たちが今、多くのものを剥ぎ取られて裸にされ、もっと光輝く栄光の衣を着せられるという経験を通らされています。 IIコリント3:18 「私たちはみな、顔のおおいを取りのけられて、鏡のように主の栄光を反映させながら、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられて行きます。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです。」 声がした ヴィジョンの中である声が響きわたりました。「あなたたちに向けられた敵の武器はあなたがたの想像をはるかに超えた威力を持つ!しかし、あなたたちのために用意された神の武器はそれにも増して、あなたたちの想像を絶する偉大なる力がある!」と。 今のときの敵の一番の戦略は、教会をだますことであり、教会に「自分たちはすでに敵と戦う充分な備えができている。」と過信させることです。敵は、クリスチャンが神からすべての力を受け取ってしまったならば、もう自分には勝ち目がないことをよく知っています。ですからそれが実現しないように阻止することに全力を挙げます。クリスチャンが長子の権利をいただくためには、肉的な性質を聖霊によって完全に一掃していただき、キリストと一つの霊となり、神の御性質にあずかるものとなることです。(IIペテロ1:4) このことが実現するときに、主は私たちのうちに住まわれ、私たちと完全に一致してキリスト御自身が私たちを通して生きてくださいます。 そのための代価は確かに大きいです。それは、自分に死ぬということですから。しかし、その報酬は人の理解では計ることができないほど大きなものであるのです。(終わり) トップページへ戻る
by walkwithgod
| 2006-11-28 18:24
| アメリカからのメッセージ
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